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 ■はじめに:LMA81XAは25歳なのです!
このたびはLMA81XAに興味をお持ちいただきましてありがとうございます。

1981年製:初代LMA81(クリック拡大)
今回発表させていただいたLMA81XAの原型となるLMA81が誕生したのは今から25年も前の1981年でした。当時のものとしては、まあまあの性能のOP-AMPを使っていましたが、OP-AMPのオフセット電圧の大きいものしかない時代でしたので、右写真をクリックして内部の基板をご覧になればおわかりのように半固定VRが14個もあって、組み立て後の調整が難しいものでした。

特性的にはf特が100KHzまで必要以上に伸びていて、自己満足ですが性能的にはいいものです。 当時のアマチュア無線界ではリミッティングアンプのちょっとした流行がありまして、若かりし頃の私自身も数台の製作を繰り返していた時代でした。日々の試行錯誤の中で後動式LMAに限界を感じてしまった私は、LMA81で前動式のLMAに辿り着いた次第です。

最新VerのLMA81XAでは初代LMA81の原理をそのままに、オフセット特性やノイズ特性のいいOP-AMPを使い、各パーツの取り付け場所などが一目瞭然の完成度の高いプリント基板に、そして部品数や調整箇所もかなり減らし、ほとんど無調整で得られる必要十分な特性とより確実な再現性などを課題にしてみました。四半世紀も前に作ったモノをお見せするのは少し恥ずかしい気持ちもありますが、こだわり派アマチュア無線仲間の一人として25年の歳月によって醸成されたLMA81XAの生い立ちを皆さんへのご参考のために簡単に紹介させていただきました。
【2006年8月:ALC回路をマイナーチェンジ】
 
 
   ★CQ4月号誌面記事掲載の回路図抵抗番号表記に誤記が見つかりました、以下に訂正して下さい。
 
  • IC7A(NJM2114D)の3番ピンのところの10kΩは、R45→R48
  • IC4A(LF412N)の1番ピンのところの150KΩは、R22→R34
  • IC5B(LF412N)の5番ピンのところの100kΩは、R34→R22
*JA1COW/森OM、ご指摘ありがとうございました。
【森OMのウエブサイト】 
 
 

今回は、基板+必要パーツ(ペアFETの入手や選別がキーポイントとなる可能性がありますのでご注意ください)さえ集めることができれば、初心者の皆さんでもベテランOMさんでも、ご自身のお好みによるオリジナルパネルデザインを取り入れたり、VR系をスライダーに変更したり、ユニークなケース/スイッチ/メーター/ツマミ類などを使用して手軽に高性能LMAの自作・実験・カスタマイズなどがお楽しみいただけるように、再現性の高い製作記事を目指しましたが、印刷出版物として掲載スペースに制約のある CQ ham radio 2006年4月号誌面では少々筆足らずになってしまったかもしれません。

現実に製作されるにあたって『もうちょっと情報が欲しい・・・』とおっしゃられる皆さんもいらっしゃるかも・・・と、おぼろげな期待をこめて『誌面記事の補足=読者サービス』という意向でこのウエブサイトを立ち上げた次第です。

製作の基本となる部分はCQ ham radio 2006年4月号に掲載されている元記事(テクニカルセクション)をご参照の上、当ウエブサイトをご活用下さい。

LMA81XAに関するご質問や、実際に製作された方のご意見、使用レポート、リミッティングアンプ全般に関するウンチク&よもやま話など・・・右下のボタン『Online Forum』への皆さんのご参加をお待ちしております。 


(投稿削除・修正も更新に含まれます)
■回答や課題を皆さんで共有できますので、ご質問などはこちらへお願いします↑↑   
 
もっと詳しく眺めてみたい部分をブラウザ上で手軽に拡大/縮小してご覧いただける簡易PDFファイル、実際に製作に取りかかられた皆さんから寄せられたご質問や改良アイデアなどに基づいた最新情報なども順次UPしていく予定ですので、もしもよろしければ時折このウエブサイトにお立ち寄り下さい。
   
お忙しい中、わざわざ作品写真付の完成レポートをお送りくださった皆さん、拝見できてとても嬉しいです。
本当にありがとうございました。
*各画像をクリックすると拡大画像をご覧になれます。
     
     
     
   
   
←開発設計者・JA4KUOもあっと驚いた作品です。

JM4JUI
/寺澤OMの『基本回路以外は、もはやLMA81XAとは思えない!』ほどのカスタマイズぶりにビックリ仰天いたしました。プリント基板も片面化されて自作、マイクロフォン内蔵のスタンドマイク型。使用ケースやDJコントローラ風にデザインされた上面パネルデザインもユニークです。

▼制作過程の詳細は、以下の寺澤OMのウエブサイトに掲載されています。
http://homepage3.nifty.com/jm4jui-ken/newpage50.htm

■プリント基板の配布完了のお知らせ(長い間ありがとうございました)
6年間にわたり頒布してまいりましたLMA81XAの基板も保存用のもの10枚を除き在庫がなくなっ てしまいました。

今後は、Simple-CADで描いたLMA81XBのアートワーク図の無料提供をしていければいいかなと 考えています。
この図はプリンターで印刷して感光基板やアイロン基板法でエッチンクし基板 を作成できます。
LMA81XBのアートワーク図が必要な方はJA4KUOまでご連絡ください。
ja4kuo_amp@yahoo.co.jp

アイロン基板の方法についてはCQ出版社より発売中の単行本「音と光の電子工作」に詳しく書いておきましたので、よろしければご覧くだ さい。詳細は以下のURLをクリックしてください。
http://shop.cqpub.co.jp/hanbai/books/18/18971.html

 
一言メモ: ALC回路のマイナーチェンジで・・・より使いやすく
実際に使用を開始された各局からお寄せいただいたレポートを基にLMA81XAALC回路を少しだけ変更、多くの皆さんの平均的使用環境下で『より使いやすいようにマイナーチェンジ』いたしましたのでお知らせします。
ALCというネーミングのせいか誤解されている方が多いようなのですが、ここで言うALCとはオウトマチック・リミッティングレベル・コントロールの略で、音の大きさから自動的にLMAの最大ゲインを制御して見かけ上リミッティングがあまり深くかかり過ぎないようにする回路のことで、送信機についているALCとは意味が違います 。
LMA81XAALCスイッチをONにした状態で使用している時に、マイクにコツンと頭をぶつけたり、クシャミをしてしまったような状況下でALCが効きすぎてLMAがハングアップしてしまう事があって使いづらいというレポートを一部の皆さんからお寄せいただきました。今回のマイナーチェンジでは、ALC回路の制御電圧の立ち上がり速度を遅くすることによってこのような瞬間的な音に対する反応を鈍くしました。(2006年8月11日)
↑クリックで拡大画像

▼変更の方法

CQ誌2006年4月号で発表した回路のIC6A(LF412N)の3番ピンをIC4A(LF412N)の1番ピンから切り離してIC3B(LF412N)の7番ピンに繋ぎかえるだけです。

配布した基板をお使いの方は、IC6の3番ピンから出ているパターンをカッターで切り、写真のようにIC6の3番ピンの足に直接リード線を半田付けしてIC5の6番ピンの足に直接繋げば変更作業完了となります。

 
一言メモ: ハングAGCのシーケンスについて
全波整流された負の信号がIC5Bの反転入力に、また、それをピークホールドした電圧の約95%の負の電圧がIC5Bの非反転入力に入りますとIC5Bの出力は正のパルス電圧が発生します。
そのパルスはD9を通してC23の4.7μFを正方向に充電します。FET,Q3はP−Chですから、Q3はカットオフします。したがって、ピークホールドの放電時定数はC20の0.1μFとR33+R38の11MΩでできる約1秒程度になります。
その状態で、入力電圧が5%以上下がった時、IC5Bの出力のパルスは停止して、C23を充電しなくなるのでC23はR37の10kΩとVR2を通して放電していきます。すると、Q3はオン状態になり、ピークホールドの放電時定数はC20の0.1μFとR33の1MΩだけの約0.1秒程度になり、C20は急速に放電することになります。

  
一言メモ: メーターの目盛りについて  
圧縮レベル メーター表示 圧縮レベル メーター表示
OdB 19μA 40dB 80μA
10dB 39μA 50dB 90μA
20dB 56μA 60dB 100μA
30dB 69μA    
少々手の込んだ作業になりますが、100μAフルスケールのメーターに圧縮レベルの目盛りを打つ場合の値を以下に示します。レタリングシートなどで目盛りを打つ場合の参考(目安)にされてください。
JH7DFK/藤野OMのオリジナルメーター>>>

 
一言メモ: メーターの逆ブレ防止策
電源SWを切ったときに、メーターが勢いよく逆方向に振れるという不具合のレポートを頂きましたので、その改善方法を考えました。

対数アンプ回路のIC7Aの反転入力(2番ピン)とGNDの間に1S2076を入れます。

これにより電源を切った瞬間にIC4Aの出力がマイナスに振り切って、R46とD12などを通してメーターに逆電流が流れるのを緩和できます。 この回路が無くてもメーターが壊れるようなことはありませんが、気になる方は写真のようにダイオードを取り付けてください。
↑取り付け参考例は写真をクリック    

 
一言メモ: 電波の回り込み防止強化策
LMA81XAは1KW出力以下で整合がきちんととれたダイポール系ANTなどを使っている限り、滅多にRF回り込みは発生しないようです。私はEH−ANTを使っていまして、ANTの特質上、同軸ケーブルの外皮に電流が流れるせいか僅かなRF回り込みを確認しました。 そこで、このような場合の対策についてコメントします。
《回り込みの確認方法》  
LMAをTXに接続して運用できる状態にした上で、TXをCWモードで最大電力で断続送信しながらLMAのヘッドホンモニターの音で確認してください。回り込みが起こっている場合、パタパタという断続音が聞こえます。  これが起きたとき、LMAの出力からTXのMIC入力への接続を外した場合に、このパタパタ音が消える場合の対策方法を次に説明します。
《対策》  
OUTPUTコネクターの所にあるFB801を改造します。 蛇の目基板を少しカットしておきます。そこにFB801にエナメル線などを2本束ねて3〜4ターン巻き(回路図のT1と同じです)コモンモードフィルターを作って先ほどの蛇の目基板上に半田付けして組み立て、VR3とOC1(4.7μF)の間のOC1側に取り付けます。 この改造を加えた場合EH−ANTで運用してもまったく回り込みは起こりませんでした。FBです!

 

*各画像をクリックすると拡大画像をご覧になれます。  

−出来上がった基板− −基板の裏面− −部品をのせてみました−
     
−ケース内部− −ケース内部− −プロトタイプ内部−
   
−パネル面から見た外観− −トップカバーを外した様子− −リアパネル−
     
−結線の様子1− −結線の様子2− −結線の様子3−
 
 
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  ←CQ誌2007年5月号に掲載されています。
  もしも、興味をお持ち頂ければ嬉しいです。
 
 
©2005 Hiroshi Morishita:JA4KUO